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幼少年 漢字教育は国の礎

お茶の水女子大学教授 藤原正彦

最近、いろいろ「改革」と言いますが、あまり日本がよくなっているとは感じないわけです。一つの大きな理由は殆どの改革が対処療法であるからです。教育問題でも、国際化社会であるからという理由で、小学校から英語が必修化されそうな勢いです。また、これからは情報化社会になるから、小学校からパソコンを教えようと言うことです。
しかし、私の考えでは小学校から英語を必修になどしたら日本から国際人がいなくなってしまう。そんなことより国語を徹底的に教えて、読書に励むことが重要です。小学校からパソコンなんかに頼っていたら、日本からパソコンを造ったり、ソフトを書く人もいなくなってしまう。小・中・高校では国語、算数をきちんと学ばなければいけないと言うことです。
この数年間に於ける学力低下をどのようにしてとり戻すかです。数学でも一昨年あたり中学生で世界六位なのです。そんなに悪くないと言う人もいますが、とんでもないことで、これでは日本は滅びるしかない。十年位前までは辛うじて一位でした。辛うじて一位では日本はやってゆけない国なのです。二十年位前までは世界でダントツの一位でした。これでないと日本はやってゆけない国なのです。
今、日本で八十歳以上の旧制高校等を出た人の教養は高く、各分野にすばらしい人材がおります。
ここで、真っ先に為すべき本質中の本質は何か、私は二十年前から考えに考えた結果、初等教育に於ける国語であると結論し、それ以来一度もその信念は揺らいでおりません。鸚鵡(おうむ)のように私は繰返し、初等教育に於いては一に国語、二に国語、三、四が無くて五に算数、あとは十以下と言っております。
全ての知的活動の基礎は言語であり、母国語であると言うことです。母国語というのは自分の考えを表現する手段だけではなく、母国語によって思考していると言うことです。
従って、思考=言語である、母国語である。この意味で国語は重要であります。
学問ということも私の定義に於いては語彙の獲得である。数学でも物理でも化学でも新しい概念を語彙に変えてゆく、語彙の獲得である。日本語の場合は語彙の半分以上は漢字で出来ており、そう言う点で先ず初等教育では漢字を徹底的に叩き込む。強制的でも画一的でも全くかまわない。(そのうち子供本人も楽しくなる)たとえば、私はニュートンやアインシュタインより数学は出来るんです。それは私の方が頭が良いからではなくて、数学の知識の量で彼等を圧倒しているからなんです。数学的語彙の力で圧倒しているということです。その上での考える力、独創力、創造性と言うことです。
そして、あらゆる知的活動で幼少期に於ける最も重要なのは読みである。その次に書きである。それから昔、寺子屋の先生がやっていたようにそろばん(算数)であります。同時に読書を勧める。
湯川秀樹先生も漢文の素読を子供の頃祖父様から習い、本好きになったと著書にも書かれております。このようにして、自ら読書する習性を養うことが重要であると思います。
(「幼年国語教育会だより」(8号)より)
 
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